2021.08.16

効率10倍アップ! スプレッドシート「データ入力の統一ルール」

効率10倍アップ!  スプレッドシート「データ入力の統一ルール」

効率10倍アップ! スプレッドシート「データ入力の統一ルール」

 Google スプレッドシートなどの表計算アプリでデータを入力するときに、気をつけていることはありますか?

 効率的な編集・分析・加工を可能にするためには、

デジタル化=機械(PC)が判読可能な形式にすること

 ということを念頭においてデータを作成する必要があります。

 昨年暮れに総務省統計局が「統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルールの策定」なるガイドラインを発表しました。

 このルールを守ってセルに入力するだけで、編集・分析の効率は間違いなくアップするはずです。
まさに10Xを実現する入力ルールといえるでしょう。

 いくつか抜粋してご紹介しましょう。

 ひとつのセルに複数のデータを入力しないこと!

 左のデータ形式では、売上金額と費用総額が同じセルに入ってしまっているので、計算や並び替えができませんよね。けっきょく、誰かが右のように修正する手間が発生してしまいます。

 

 単位(円、個、人など)や桁区切りのカンマ(,)などは文字列で入力しないこと!

 円や▲(マイナス表記)の入ったセルを計算しようとすると#VALUE とエラーになりますね。

 単価のセルに「10000円」と入力し、計算を試みてみましょう。

 エラーのコメントが表示されました。
(MULTIPLY関数というのは聞き慣れないコトバかもしれませんが、つまりは掛け算「*」のことです)

 セルには「10000」とだけ入力し、ツールバーの「¥」ボタンなどを使用して単位を追加します。

 スプレッドシートの場合は 表示形式>数字 から好きな表示形式を設定すると、扱いやすいデータになります。

セルの結合をしないこと!

 セルの結合は、見た目を整えるために行なってしまいがちですよね。

 ですが、並べ替えやフィルターが適用できない、グラフ化ができない、値のカウントができないほか、範囲選択しにくい、コピーペーストできないなど、使い勝手としてはほぼ百害あって一利なしです。

正しい記入方法は右のとおりです。

これ以外にも

・スペースや改⾏等で体裁を整えていないか ・機種依存⽂字を使⽤していないか

・1シートに複数の表が掲載されていないか ・データの単位を記載しているか

などなど、ついやってしまいがちなNG例と解決例を紹介しています。

ガイドラインの全文はこちらからご覧ください。
ダメな例と良い例を比較した、とてもわかりやすい構成になっています。

統計表における機械判読可能なデータ作成に関する表記方法
統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルールの策定(総務省統計局 政策統括官(統計基準担当)2020年12月18日)

 チェック項⽬の1-1で、推奨されるファイル形式として、そもそも「スプレッドシート」が記載されていませんが、ここに書かれているルールは、すべての表計算アプリに共通するものです。

 全員がこのルールを守るだけで、効率と生産性が10倍アップしてハッピーになれる、日本国民どころか全人類必見の資料だと思います。

それから、このガイドラインにも出てこないくらい基本的なことですが、
数字は必ず半角で入力することを心がけましょう。

全角の数字は文字列であって、数字ではありません。計算はできませんよね。

シート内の文字種を一括変換してくれる神アドオン!

ここで、「え、今まで作成したシートも全部直すんですか?!」という方へ。

結論から言えば、これから分析したり、グラフ化する必要があるのなら、直したほうがいいと思います。

数字の全角・半角の統一だけは、
・大文字⇄小文字
・ひらがな⇄カタカナ
・全角⇄半角(数字/英字/カナ/記号/空白の指定可)
を一括で自動変換してくれる、「文字変換くん」というスプレッドシートの神アドオンもあります。

Google Workspace Marketplace ( Google Workspace に追加できる拡張機能のストア)にありますのでぜひ取得してみてください。もちろん無料です。

文字変換くん – Google Workspace Marketplace

※ Google Workspace組織では使用が許可されていない場合があります。

「どうすれば編集・分析・加工しやすくなるのか」を考えよう

 このガイドラインに書かれている以外にも、シートの設計や入力ルールで判断が求められる場面が出てくると思います。

その時も「どう工夫すればデータが編集・分析・加工しやすくなるのか」を常に考えることを心がけましょう。

 そうすることで、コンピュテーショナル・シンキング(コンピュータサイエンティストの思考法。つまり、課題が何であるかを理解し、課題を適切に解決するための考え方)が次第に身につくからです。

 この「コンピュテーショナルシンキング」の能力は、近年、教育分野においてもPISA学習到達度調査(国際的な学習到達度に関する調査)に追加されたスキルです。もちろん、ビジネスにおいても必要不可欠な能力です。

 

イーディーエルのトレーニングも、ゴールは単なるアプリの操作習得ではありません。
皆さんがアプリを「自分自身で場面に応じて使えるようになる」こと。
最終的には、コンピュテーショナル・シンキングを身に付けていただくことをめざしています。
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