ダイヤモンド・オンライン 第97回 が更新されました!
『8割の教育現場が研修予算ゼロで大丈夫?世界から遅れるニッポンのデジタル教育!』
●先生たちが呆然と立ちつくす「時間が止まった」教室
数年前から耳にする「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」。
皆さんは、この言葉をお子さんでも分かるように説明できますか?
なかなか意味が分かりにくいこの言葉を私なりに解釈すると、
「紙をやめて、デジタル化せよ」となります。
その言葉を実現化することに、どこの現場も苦労しています。
なかでも、最も苦労している現場はどこかご存じでしょうか?
それは読者のご子息を預かる小中学校、そう教育現場です。
以前述べましたが、今の小学生たちが大学受験に挑む頃には、入学試験がCBT(コンピュータ・ベースド・テスティング)化していきます。
CBTでは、解答用紙に手書きするのではなく、コンピュータ上で受験する新しいスタイルです。
GIGAスクール構想により、2021年4月から生徒1人1台のパソコン端末が順次用意され、ようやくその第一歩が始まりました。
ところが、この新たなDXという戦略に未だ戸惑い、教育現場の教室はその大半が身動きできないまま「時間が止まった」状態が続いています。
ご子息のICT(情報通信技術)教育を担うのは現場の教職員、つまり先生たちです。
その先生たちは、ICT教育というかデジタルそのものが苦手です。
理由はシンプル。
先生たち自身が、ICT教育を受けたことがないから、活用イメージが持てないのです。
DXという新戦略に向け、過去にICT教育を受けたことがないのは仕方がありません。
しかし、肝心なのは未来。
今後、ICT教育を体得しようという準備があるかです。
先生方はパソコン端末配布後のこれから先、学ぶ機会を確保できているのでしょうか?
データを見る限り、答えは残念という他ありません。。
Google が2020年3月23日(月)から6月5日(金)にかけて全国の教育委員会(有効回答数:1480件)に電話調査を行った「教育委員会向けGIGA スクール構想リサーチ 2020」で判明した数字によると、83%の教育委員会が端末活用に対する研修予算を確保していません。
出典:「教育委員会向けGIGA スクール構想リサーチ 2020」p.13
つまり、この重要な局面を乗り切らねばならないのに、8割強の自治体において、先生のための研修準備や計画がゼロ、ということになります。
このままではGIGAスクール構想が絵に書いた餅になってしまいます。
「弾なし、兵糧なし、訓練なし」の状態で、教室という戦場に呆然と立ちつくす先生たちは、声にならない悲鳴をあげています。
これではどうやって先生たちは、子どもたちを導くICT活用指導力を身につけるのでしょうか?
・・・
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平塚 知真子 (著) 単行本 – 2020/11/25